縁も所縁もない札幌地検前。
酷暑なのにダウンジャケットに身を包んだ人々。
季節
時間軸
場所
全てが混線している。
しかし
なぜか私の心は幸福感に満ちていた。
札幌地検前の掲示板
己の受験番号が掲載されている。
合格していた。
予想以上の歓喜はなく
安堵と幸福感という言葉が相応しい。
しかし
体は構造物のように固く触覚は失われている。
醒めないで欲しい。
強く願った。
このまま命が尽きても構わない。
疲れた6畳間に鬱陶しい朝の光が差し込む。
光線に照らされて埃がキラキラと空中を舞っている。
朝か。
夢か。
残酷な朝がやってきた。
ひと時の夢から覚めた。
いつまでも見ていたい夢だった