八度目の司法試験不合格。
「八振」
その日から私は光を失った。
ただただ、生きているだけの日々である。
自動的に年齢だけ重ねていく毎日。
消化試合のようにこのまま人生を終えるのだろう。
そう思っていた。
バイトで食いつなぐ日々の中で、私の楽しみが唯一あった。
それは「ブログ」である。
休憩時間にスマホでブログを読むことが日課になっていた。
そうだ、私も始めてみよう。
そう思った。
とりあえず、無料のブログに登録し、2行~3行の日記を垂れ流した。
読者はゼロ人。
まるで、独り言のようだったが、私はなぜか癒された。
思いのたけを言語化し、吐き出すことが純粋に楽しかった。
司法試験の論文によく似ている。
言語化する作業。
やはり私はこの作業が大好きだ。
それから毎日が少しだけ変わり始めた。
少しづつだが読者も増え、コメントを頂けるようになった。
そして、ある日、ブログだけで生計を立てている人がいることを知る。
私もこうなりたい。
ドが付くほどの文系で、機械音痴の私が、何とか独自のブログを立ち上げるまでに漕ぎつけた。
私には武器がある
司法試験に合格したのなら、勉強法をブログのネタとして書いていけばいい。
はて。
私は不合格。しかも撤退組である。
何を書こうか。
思いを巡らすうちに、私は一つの事に気づく。
そう、私は日本で最速で八振したという人生最大の汚点があるじゃないか。
汚点ではあるが、私の生きてきた証。
もはや失うものなどない。
「八振」という、圧倒的かつ追随無き領域をネタにしよう。
司法試験の熱量を異なる方向へ放つ
司法試験受験者には力がある。
そう示したい。
同じ方向で努力してきた年月は裏切らない。
違う方向に振り向けてやろう。やるなら絶対に一番を目指してやる。
司法試験受験者は、お世辞抜きで一番勉強していると思う(八神、鼻息荒いので、他分野の方ごめん。今日は許して)。
あの日見た夢の続きに自分を立たせてやろう。
過去の自分、お前さんを成仏させてやんよ。
みなさんには、このリアルストーリーを見ていてほしい。
途中でブログが途切れるかもしれない。
もしかすると、私は一年後この世にいないかもしれない。
でも、それも含めて「リアル」だと思う。
司法試験に敗れ、もはや私には何もなくなった。
受験時代の生き生きとした毎日も失った。
光を失った。
しかし、私はブログというものに出会った。
遅すぎた出会いかもしれない。
残り少ない人生、失敗した者のリアルな生き様としてこの生臭いブログを書きなぐっていく。
ブログ、IT、初心者だ。
はっきり言ってよくわからん。
でも、見に来てくれる人がいる限り私の生きざまを晒していこうと思う。
牛のケツドリーム!