人間は常に考える。
考える生き物だ。
昔はああなりたいとか、理想の人物像があってそこに近づくように努力した。
それは目標となる人がいたり、目標となる職業があったり。
常に理想の形が存在した。
その理想に向かって考え、自分なりのベストを尽くしてきた。
しかし、今はどうだろう。
時間が経ち過ぎた。何かに「なりたい」という考えは自然と消え去っていった。
理想像すらも思い浮かばない。
もはやなりたいものなどありゃしない。
今はむしろ「したい」ことに重きを置いている。
例えば、明日は刺身を食べたい。本を読みたい。綺麗な景色を見たい。女と話したい。
そこには理想像なんて存在する余地がない。
非常に低次元の動物的欲求に近い。
こうなってしまっては、人生の挽回は難しい。
まさにその日暮らしを体現した様な生き方だ。
受験生の皆さんも、理想像が消え去った時。
それは撤退を本気で意識するときなのかもしれない。