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私が交通誘導員を続けるたった一つの理由

生き方

司法試験撤退後、職を転々

現在、私は司法試験に失敗し、交通誘導員のアルバイトで生計を立てている。

試験撤退後、一度働いた経験もあるが、辞めてしまった。

辞めた後は職を転々とした。

たまたま求人に出ていた交通誘導員に応募し、働くようになった。

今ではなぜか交通誘導員という仕事が無性に落ち着くようになった。

まるで空気をまとっているかのように落ち着くのだ。

20代の自分が今の現状を見たら何と言うだろう。

希望に満ちたあの頃は予想していなかった。

人生とは不思議なものである。

私が交通誘導員を選んだたった一つの理由

交通誘導員という仕事。

みなさんはどんな印象を持っているだろうか。

危ない、汚い、きつい。

そんな印象だろうか。

もちろん当てはまる部分もあるが、意外と悪くない部分もある。

私がこの仕事で気に入っている点は

  1. 人間関係が希薄
  2. 特別な資格が不要

こんなところだろうか。

実際には1の人間関係が希薄という点が最も気に入っている。

これが交通誘導員を選んだ最大の理由ともいえる。

交通誘導員は、基本的に現場毎に人間が入れ変わるため、反復継続した人間関係がない。

その場限りの人間関係である。

オフィスでの長期間縛られる人間関係に比べると、この点は大きい。

前職を辞めた理由

私はコミュ障である。

前職を辞めたのも人間関係が原因である。

組織内でうまく立ち振る舞うにはコミュニケーション能力が必要だ。

サラリーマンに必須の能力である。

司法試験撤退者は無駄に年齢が高いため、年下の上司が多い。

ただでさえ、コミュ障なのに、年下の上司ばかりという圧倒的ハンディ。

長年勉強しかしていなかった私には到底上手く立ち振る舞うこともできなかった。

最初は、良くしてくれた先輩も段々風当たりが厳しくなっていく。

どんどん孤立していく。

「あいつは学歴ばかりで使えない」

「あいつ司法試験落ちまくったらしいよ」

そんな言葉が聞こえてくるようになった。

もはや限界だ。

私は逃げるように退職した。

アルバイト探しから逆戻り

退職しても、食っていかなければならない。

目先の食い扶持を探すためにハローワークへと通う。

そんな中、日銭が稼げる交通誘導員という仕事を見つけた。

拍子抜けするくらいあっさりと採用となった。

アルバイト生活の始まりである。

私が交通誘導員を続けるたった一つの理由

人間関係。

どこにいっても付いて回るものだが、比較的関係性が希薄な環境が私にとってベストなのかもしれない。

私の周りの交通誘導員は年齢も高く、あまり自分のことを語らない。

その分、人の事を聞いてくることも少ない。

「前の仕事何やってたの?」

「今まで何やってたの?」

もう、うんざりである。

司法試験の事を分かりもしない人間に、一から説明することで再び悪夢を思い出す。

頼むから私に関わらないでほしい。

そっとしておいてほしい。

私が描いていた未来とは異なる未来だったが、今はこの環境が気に入っている。

高望みして傷つくくらいなら、低い位置で傷つかないことを選ぶ。

いつからこんな人間になってしまったのだろうか。

司法試験に落ちて正解だったかもしれない

弁護士は人間関係の縺れを紐解く仕事。

仮に合格し、弁護士になったとしても私には到底務まらなかったかもしれない。

落ちてむしろ正解だったかもしれない。

今ではむしろそう思えてきた。

さて。

明日もバイトである。

薄汚れた軍手と作業着をリュックに詰め準備をする。

この瞬間、たまらなく涙が出そうになる。

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