前回からだいぶ時間が経ってしまった。
その間、司法試験の合格発表があった。
わかってはいたが。
何か書いた方がいいと思いながらも筆が進まなかった。
司法試験を志す、みんな。
結果はどうだっただろうか。
毎年の事だが、合格した人は、そのまま進めばいい。
本当に長い戦い、お疲れ様でした。
そして、惜しくも不合格だった方。
特に、このご時世。
撤退して経済的に立て直すか真剣に悩む方もいるだろう。
撤退という二文字はあまりに重い。
重過ぎる決断である。
ただ、私は思う。
人間に残された時間は短い。
そして、この生きている時間こそが何よりも貴重で尊い。
かけがえのない時間、とよくいったものだが、本当にこの年齢になり身に染みている。
人間、死ぬ間際に残るのは「記憶」だけ。
死ぬ直前の病床の上では、金や富、名声といったものはあまりに無力である。
生きてきた姿勢。
挑戦したこと。
貫いた思い。
叶えられなかった夢。
こういったドラマチックな濃密な記憶は、恐らく死ぬ直前にはっきりと思い返すだろう。
平坦な人生よりも、デコボコに起伏があり、山あり谷ありの人生の方が面白い。
絶望の淵に打ちひしがれ、何も手につかなくなったとしても
そこから、勢いよく蘇生する物語もまた粋じゃないか。
司法試験という形じゃなくてもいい。
別の仕事でも。
仕事じゃなくて、育児や介護でも。
一生懸命に別の道に生かすこともまた、あなたの新しい物語だ。
そして、次世代に残せるのもの。
自分の子孫に残せるのも、自分の生き様。
いわゆる「記憶」だけ。
あなたの生き方次第で、これからの人生はもっと面白くなる。
そして、富や名声を遥かに凌駕する価値がそこにある。
心を燃やしてほしい。